夫は仕事、私はカラオケ。ドキドキしながら予約した朝
上の子を幼稚園に送り出した後。私は家に戻らず、一人カラオケへと向かいました。 正直、カラオケ店へ向かう道中の気持ちはどんよりと重く、おまけに雨まで降っていました。「夫は今、自宅で必死に仕事をしている。それなのに、私は遊んでいていいの?」 特に在宅ワークの夫には、私の行動が筒抜けです。「家で掃除でもした方がいいんじゃない?」という自分の中の罪悪感が、ずっと私を責めていました。
自分に「エールを贈る」ように歌った時間
マイクを握りながらも、時計の針ばかりが気になります。それでも、私は Mrs. GREEN APPLEの『ケセラセラ』を入れました。
「ケセラセラ、今日も唱える」
歌詞をなぞりながら、自分にエールを贈るように歌い続けました。「私は、私のしたい時間に、したいことをする。これからは自分の意見をしっかり言って、自分らしく生きていくんだ!」 必死で自分の中の「良い妻でいなきゃ」という心の縛りに気づいたのを覚えています。
3回目で気づいた「負い目」の正体
そんな「戦い」のような一人カラオケも、3回目を迎えた頃。ふと、心が軽くなっている自分に気づきました。 頭の中で響く「家事をした方がいいのでは?」という問いかけに対し、「いや、今は私が私のやりたいことをする時間!」と、迷いなく答えられるようになっていたのです。
そこでやっと気づきました。 夫が私を縛っていたのではない。私自身が勝手に作り上げた「理想の妻像」を破ることに、私自身が一番抵抗していたのだと。負い目は、自分が自分にかけていた「ブレーキ」だったのです。
「こうあるべき」を手放して、心がふっと軽くなった
実はこの時、私の心はボロボロでした。 2回の凍結胚移植が着床せず、「もう二人目は授かれないのかもしれない」という絶望感。自己妊活に切り替えても、排卵検査薬を使ってもタイミングが掴めない焦り。夫にはEDの薬を服用してもらい協力してもらっているのに、結果が出ない申し訳なさ。
「私がもっとしっかり管理しなきゃ」「私が頑張らなきゃ」 そう思えば思うほど、妊活は「義務」になり、家の空気は重くなっていました。その重苦しい空気をどうにか変えたくて、半ばヤケクソで飛び込んだのがあの一人カラオケだったのです。
でも、自分を優先することに「許可証」を出せた瞬間、張り詰めていた糸がふっと緩みました。 「結果がどうなっても、私は私の人生を今日から楽しむ」。そう決めて一人の時間を満喫し、念願のホットヨガで思い切り汗を流して、心と体のこわばりを解いていきました。
不思議なもので、私が自分自身の「心地よさ」を満たし、心の底から深呼吸できるようになったとき、あんなに停滞していた妊活の空気も、軽やかに動き出したのです。
「妊活は、自分が我慢して、自分だけが頑張ればいい」 もし今、あなたがそんな風に自分を追い詰めているのなら、どうかその考えを一度手放してみてください。
不妊治療は、女性側の負担がどうしても大きくなりがちです。でも、あなたが自分を犠牲にして苦しんでいても、望む未来は訪れません。
人生は、今のあなたの「選択」の積み重ねでできています。 「今日は自分のためにこれをする」 その小さな選択一つで、見える景色が驚くほど変わります。
まずは、あなた自身が「楽しい」と思える時間を、自分に許してあげてください。 心がふっと緩んだその先に、あなたがずっと待っていた「新しい季節」が待っているはずですから。
